ぴーかん☀ノート

日々出合ったできごとで感じたことなどをつづります

“リスボンに誘われて”、“魂の旅””を覗いてしまった!

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人はいくつになっても自分に足りないものに執着するのでしょうか。
 
主人公は初老の高校の教師ライムント
目覚まし時計が鳴る前に起きてしまうような、ひとり暮らしが長く続いている孤独な日常を送っています。
 
ある雨の日、橋の上を歩いていると、今にも飛び込みそうな女性を見かけ、カバンを放り投げて彼女を救います。そして、彼女に請われるまま自分が教えている学校の教室まで連れて行きます。
彼が授業をしている間に彼女は教室を離れ、そのまま行方不明に。
 
このあたりから、うだつの上がらなさそうな高校教師のライムントの行動が変わってくるのです。きっかけは、彼女が置いて行った赤いコートのポケットに入っていた小さな古本
 
ライムントは彼女を見つけるためにこの本を読んでいるうちに、私費出版されたのであろうこの著者に次第に魅せられていくのです。
 

舞台はベルンからリスボン

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教室から去って行った彼女を追い、彼女が忘れた赤いコートを持ったまま、まるで導かれているように同じくポケットに入っていたリスボン行きの切符を持って汽車に乗ってしまうのです。
 
多分彼は、自分の人生の中でこれほど思い切った行動をしたことがなかったのかもしれません。それも自分の意志の力というより、そうせねばならないというやむにやまれぬ追い立てられるような気持で。
 
なにしろ授業をしていた時のままの姿にコートを持ったスタイルで、そのままリスボンに乗ってしまうのです。
小さなホテルに宿を取り、いつまで宿泊するかわからぬまま、取りあえず著者、アマデウの住所を探し当て、そこからパズルのような探索の旅が始まります。
 
ベルンのときも、リスボンに移っても、なぜかいつも曇り空。
映画のトーンがずっとグレーなのです。
これも彼の心象風景なのでしょうか。
 

主人公は著者を取り巻く個性派たち

著書に描かれている登場人物たちに会うことで、アマデウの人物像が次第に浮き彫りにされます。と同時に、レジスタンス時代に活動していた彼らの生き生きとした個性がライムントの琴線に触れたのです。
 
ライムントは自分を退屈な人間だとある女性に語ります。
平凡な自分に比べて、アマデウを含めた周囲の人間たちの、なんと個性的で魅力的なことか。
 
それに比べて自分はなんと平凡で無害な人生を送ってきたのだろうという思いが、彼のリスボンでの探究心を深めていくのです。おそらく彼らと同世代の自分の生き方を問い直すために。
 

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ひとりの青年が周りの人の人生を変えていく

アマデウは貴族出身の賢く、美しい青年でした。妹さえも恋してしまうような。
でも、私にはアマデウの周りの人たちと比べると、取り立てて個性的な人物とは思えないのです。
 
ただ、彼にかかわる人たちが、レジスタンスという渦の中でアマデウを巻き込みながら大きく変化を遂げていくのです。アマデウは時代の波に翻弄されながらも、彼らの生き方に接することで、自分の本当の生き方を探ろうとします。
 
愛する女性とスペインへ逃げる逃避行の中で、彼女はアマデウに、彼が本当に求めているものに気付かせ、自ら去っていくのです。
 

最後に

教師ライムントを演じたのはジェレミー・アイアンズ
過去に「ダメージ」「魅せられて」などに出演。そうそう「ダイハード3」にも出ていましたね。
少し年を取りましたが長身のスタイルは変わらず、美しいです。
 
アマデウの妹に扮したのは、シャーロット・ランプリング
若くして亡くなった兄を慕い、まるで生きているように話す妹を演じていました。
過去に、「地獄に落ちた勇者ども」「愛の嵐」、最近は「まぼろし」「スイミングプール」「さざなみ」に出演しています。長身の「様子」の美しい、独特の雰囲気のある人です。
 
アマゾンのプレミアムで映画を選んでいると、久しぶりにジェレミー・アイアンズに出会いました。
その前3本ほど、見始めては削除したりを繰り返していたのですが、この作品は始めから最後まで作品の中に入り込んでしまいました。久しぶりの感覚です。しばらくしたら、また観たくなるかもしれません。。