ぴーかん☀ノート

日々出合ったできごとで感じたことなどをつづります

“さいはてにて やさしい香りと待ちながら”を見て感じたこと

永作博美が好きで、映画やドラマの中に彼女の名前があるとある種の期待感で見てしまいます。彼女の表情と存在感に触れたくて、この映画も二度見てしまいました。

 

“さいはてにて” あらすじ

行方不明になって8年経った父親が遺したものは、能登のさいはてにある“船小屋”
吉田岬(永作博美)は東京から能登に越して船小屋を改築し、そこで住居兼焙煎珈琲のお店を始めることに。
店の名前は“ヨダカ珈琲”。
 
店の前には民宿があり、訳ありの若いシングルマザーと子供が二人住んでいる。
シングルマザーは山崎絵里子(佐々木希
民宿は彼女の祖母のものらしい。
でも、祖母は体調を崩して入院中。
 
敷きっぱなしの布団。雑然とした室内。
客が泊っている様子はない。
 
小学生の子供たちは給食費のことを母親に伝えることができない。
お金のことを伝えると、母親が生活のために自分たちを置いて金沢へ出かけてしまうから。
 
絵里子は、金沢のキャパクラで働いているらしい。
高校中退して子供を産んだ絵里子は、ほかに働くすべを知らない。
 
最初は子供をはさんでぎくしゃくしていた岬と絵里子の関係は、ある事件をきっかけに進展することに。
次第に、年齢も境遇も違う二人に友情めいたものが芽生えてくる。。
 

珈琲の香りと女性の自立

この映画は珈琲が主役かも知れないと思えるくらい、珈琲が重要な位置づけになっています。
 
岬が東京から能登にやってきて珈琲店を始めても違和感がないのは、すでに東京で同じ仕事をしてきていたという背景が感じられるし、小柄な岬が重たいものを慣れた様子で運んだりする姿も、自然体で目を引きます。
 
あんなところでお店を始めても、と最初は感じた疑問も、パソコンは見られなかったけれど、ほとんど通販で全国に郵送しているんだということも後々わかってきて納得。
 
寡黙な岬と対照的な絵里子という女性も、最初はダメダメな母親だと思っていたら、子どもたちを深く愛し、子どもたちから愛されている存在だということが次第にわかってくるのです。
 
それこそ、ヨダカのオリジナルブレンドコーヒーのように、幾種類もの豆の味が口の中に広がって全身に行き渡るような満足感を味わえる映画です。
 
岬は最初から自立した女性として登場しますが、その彼女に足りないものが絵里子たち親子によってもたらされたような気がします。
そして、岬の人生に対する凛とした姿勢が絵里子にも影響を与え、自分にとって本当に大切なものを再認識させるきっかけになったのではないでしょうか。
 
ところで、この映画の中の佐々木希がとてもいい味を出しているんですね。
これは自分でも予想外で、彼女の女優としての可能性を見た思いがしました。
感情を込めすぎない、やりすぎない、自然体の演技が、最後のシーンで未来に続く道を感じさせます。
 
監督は台湾出身の女性監督:チアン・シウチュン
女性の監督、女優たちによる女性のための映画。
だけではない、今なにかに迷っている人にも、希望を与えてくれるきっかけになる映画かもしれませんね。